Kiara Uは、真の意味で人類の将来のリスク最小化・機会最大化に貢献する研究に、自由にリソースを投入したいという情熱の元にはじまったプライベート研究所です。
(資金の自由)
まず、Kiara Uは、金融や物理の研究を通じたコンサルティングや、自社開発のソフトウェアの販売によって資金を得ています。この資金は、新たに直接の利益につながらないが人類にとって意義のある研究に再投資されます。また、災害やマイノリティの問題などを取り扱う社会団体への寄付を通じて、社会的な課題を新たな研究テーマとして受け取り、それをさらなる研究のループに回していくことを目的としています。
この結果、我々は伝統的な大学とは全く逆のアプローチを取ることになります。一般的に、大学は生徒から学費を徴収し、国や業界から予算を受け取り、それを再分配することで研究費を賄います。逆にいうと、生徒、政府、業界の要望に目を向け、それに最適化した研究テーマを選択する必要がありました。しかし、我々は自己資金で運営するため、自由にテーマを選ぶことができます。これこそが私たちの大きな特徴と言えるでしょう。
(研究テーマの自由)
もう一つの重要な点は、流行を取り入れつつも、流行に囚われずに時代を超えたテーマを追求し続けることです。人類が直面する共通の問題としては、近年では兵器や戦争、災害、疫病などのテーマが挙げられます。これに対する研究のテーマは本来、自由であるべきです。しかし、特に近年のコンピュータサイエンスがAIに偏りすぎているような傾向は考え物で、全てをAIに頼るのは適切ではないと私たちは感じています。問題の解決手段は自由で、AIを使おうが使わなかろうが、問題が解決するのであればそれが最善だと思います。また、オフライン環境しかない場合や、コンピュータサイエンスの知識がない人が現場の最前線にいるケースも多いのです。そのような状況で役立つ科学とは何か、これからも考え続けたいと思います。
(サイエンスの浸透)
私たちの専門分野である数学についてです。数学者たちを象牙の塔から引きずり出し、理系以外の問題解決にも貢献できるように、より広範で社会に浸透し、人々の生活改善に役立つような数学の再定義と、それを世界中の人々に伝えるためのメッセージデザイン、そして研究内容の伝達方法のデザインに注力する、というのが私たちの目指すところです。
近年、情報の質とフェイクニュースという問題が社会的な課題となってきています。その中で、世界中の人々に対して、「サイエンスシンキング」、つまり、証拠と客観的な分析、批判的な視点を基にした解釈の枠組みを正確に伝えたいと考えています。これは論理学や実験検証の枠組みがまだ十分に科学と無関係な人々の手に行き渡っていないためです。感情や非論理的な議論により最適な決定がなされていない社会現場が多いという現状を認識し、そのような活動を広めていきたいと考えています。
(社会貢献の最大化)
私たちは、資金調達を同時に進行させ、ベンチャーキャピタルの再創造にも挑戦したいと考えています。我々が以前在籍していたベンチャーキャピタルでは、大きな影響を及ぼす可能性のある中で、上場を目指すイデアにだけ投資するという矛盾がありました。それは同時に、社会で困難を経験しているすべての人々の問題をベンチャーキャピタルがカバーできないという現実を意味していました。
私たちはこれを解決すべく、NPOや自立した社会活動への解決策を探求し、そのメンバーへの寄付を行う一方で、我々の提供する研究ツールを通じて、その寄付をより効果的に活用できるよう支援します。これは、フィールドで活動するNPOのリーダーたちの取り組みを加速させることを基に、上場やM&Aによる利益ではなく、社会変革のKPIそのものを追求する「ソーシャルベンチャーキャピタル」というアイデアの一端です。
私たちは、様々な社会問題をカバーできる、より広範な取り組みを行う組織を、この大学を通じて構築したいと思っています。